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【プレスリリース】被災地企業の人材獲得〜定着・育成のための事業スキームを提言する、復興庁「企業間専門人材派遣支援フォローアップ事業」 概要報告書が公開

一般社団法人RCF(東京都港区:代表理事 藤沢烈)は、復興庁より本事業を受託した株式会社ジェイアール東日本企画と共に、パーソルテンプスタッフ株式会社、株式会社ワールドネクストと連携して令和2年6月より本事業を実施してきました。

本事業の背景には、平成29年度から令和元年度にかけて復興庁にて実施した事業「企業間専門人材派遣支援モデル事業」(以下「モデル事業」)があります。

これは、東日本大震災により多大な被害を受けた地域において人材確保が困難となっていた状況に対し、被災地企業へ専門的知識を持つ人材(以下「専門人材」)を派遣・活用することで、被災地企業の経営課題解決、企業価値向上を目指した事業です。

モデル事業イメージ図(概要報告書より)

これを受け、本年度はモデル事業に参画した被災地企業や専門人材を対象に、アンケートやヒアリングなどによるフォローアップ調査を実施しました。

今回公開した概要報告書では、モデル事業での人材獲得プロセスの成果と課題を抽出した上で、被災地企業の専門人材獲得力の維持・向上を図る仕組みの構築に向けて、自治体や人材事業者等に対して必要な事業スキームに関する提言をまとめています。

■フォローアップ調査結果

アンケート調査は、被災地企業178社及び採用された専門人材87名を対象に実施しました。被災地企業のアンケート回答結果は、採用活動のプロセスである「採用計画・母集団形成・選考活動・定着・育成」のフェーズに分け、掲載しました。一方専門人材のアンケート回答結果は、転職前と転職後のフェーズに分け、掲載しました。特徴的な回答は以下の通りです。

【被災地企業アンケート回答結果】

採用計画:
専門人材を採用した企業は、必須条件として「柔軟性」を挙げている割合が高い。(問9より)

母集団形成:
ハローワークの活用について、「今後も活用したいと思う求人媒体」として選択した企業が92.0%である一方、「最も効果的と考える求人媒体」として選択した企業は42.8%である。有料求人ウェブサイトの有効性については、一定程度認識しているが、コストをかけるまでには至っていない。(問12、13より)

選考活動:
専門人材を採用した企業の方が、採用していない価値観、強み弱み、キャリア観という内面的情報など、候補者から多様な情報を得ようとしている。また経営者だけでなく、上司など現場の目線で判断しようとしている。(問17、18より)

定着:
全体的に、全国的な平均勤続年数と比較すると定着率が高くない。(問23より)

育成:
育成計画や育成担当の明確化に取り組んでいる企業が全体的に少なく、体系的な育成方針、育成計画立案において支援のニーズがあると考えられる。(問27より)

【専門人材アンケート回答結果】

転職前:
専門人材は自身のキャリアアップやスキルアップのために転職活動を行っており(50.0%)、このことから被災地企業は専門人材のキャリアアップ・スキルアップにいかに貢献できるかということを伝える必要がある。(問10より)

転職後:
入社前後のギャップとして、特にないという回答が最も多い(41.7%)ものの、次に多い回答は組織風土(33.3%)、業務内容(27.8%)となっている。このことから被災地企業は組織風土や業務内容に関する認識のギャップに対して問題意識を持ち、職場改善に努める必要があると言える。(問16より)

ヒアリング調査は、被災地企業が事業スキームに求める役割について理解を深めるため、実施しました。本事業で支援した岩手県・宮城県・福島県の被災地企業のうち、合計30社を対象に行い、事業者の実態を把握したほか、いくつかの支援ニーズを見出すことができました。概要報告書には、被災地企業の声として特徴的なものを掲載しました。

【被災地企業の声】

地域に関する情報発信:
首都圏などの人材に対して、東北・被災地で働くことへの事前理解、生活環境や職場環境の違いを知ってもらうことが必要。

専門人材への情報発信:
多様な人材を確保するためには、多様な媒体・チャネルを用いる必要がある。中でもwebでの募集は会社の求める人材獲得に繋がる可能性が高い。

組織改善:
ミスマッチがあった場合の配置転換や、組織改善がうまくいかず退職することがあった。定着育成に関するノウハウ支援が必要。

■被災地企業の専門人材獲得力の維持・向上のため、2種類の事業スキームを提言

調査を経て提言する事業スキームは、事業の段階に応じて「人材マッチング事業」と「地域人材サポート事業」の2種類に分類しています。

「人材マッチング事業」は、採用計画段階からマッチングに至るまでを想定し、専門人材を被災地企業が実際に採用することで、企業の成長に寄与することを想定としました。専門人材を採用するまで「採用段階」及び採用後の定着を支援する「フォローアップ段階」に分けられ、いずれの段階においても、被災地企業に主体的な取り組みが求められます。

「地域人材サポート事業」は、専門人材の採用前段階における当該地域や移住への幅広い興味・関心を実際のマッチングに繋げる段階、及び採用後の地域への定着・育成を図る段階を想定しました。専門人材の地域への関心を高める「地域関心段階」と専門人材の転職後の地域での生活をサポートする「フォローアップ段階」に分けられます。いずれの段階においても、その中心的な取り組みは自治体が担い、自治体からの委嘱を受けた移住支援センター等がサポートすることにより、地域全体での課題解決に取り組むことが求められます。

図1 事業イメージ全体像(概要報告書より)

詳しい内容につきましては>こちらのリンク<から概要報告書を参照できますので、是非ご覧ください。

□参考:目次
1.背景・目的
・被災地域に求められていた人材支援について
・企業間専門人材派遣支援モデル事業について
・モデル事業の成果と課題
・過去3年間の事業成果を踏まえた調査目的・方向性

2.実施内容
・アンケート調査実施概要
・ヒアリング調査実施概要

3.調査結果
・アンケート調査結果概要
・ヒアリング調査結果概要

4.提言「専門人材獲得のための事業スキーム」
・背景
・事業イメージ
・主体者の役割
・事業規模

5.参考資料
・被災地企業アンケート調査結果一覧
・専門人材アンケート調査結果一覧

□本記事に関するお問い合わせ
一般社団法人RCF(東京都港区:代表理事 藤沢烈)
ホームページ:https://rcf311.com/
担当:佐々木
メールアドレス:jinzai@rcf.co.jp

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