【アーカイブ】【第28号】いままでの東北支援 これからの東北支援
━ ◆◇◇ 第28号 ◇◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━
RCF 復興支援チーム メールマガジン
https://rcf311.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2012.4.8━━━
━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. RCF活動報告
2. 東北復興支援に今後必要な事
3. (1) 福島県被災者に関わる既存制度調査
(2) 福島応急仮設住宅団地周辺環境調査分析報告
4. 仮設住宅に求められる支援の今・これから ~仮設住宅アセスメントより~
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1. RCF活動報告(3/26~4/6)
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【コミュニティ支援】
☆各自治体と住民の方々とコミュニティ支援のニーズについてヒアリングを実施中。
-3/28
盛岡にてコミュニティに関する支援のための協議実施。(藤沢)
大船渡にてコミュニティ支援に関わるインタビューを実施。(岡本)
北上にてコミュニティ支援に関する協議実施。(藤沢、岡本)
-3/28
大船渡にてコミュニティ支援に関わるインタビューを実施。(岡本)
-3/29
釜石にてコミュニティ支援に関する協議実施。(藤沢、岡本)
【水産加工業支援】
☆水産加工業支援のニーズについてヒアリングを実施中。
-3/28
各地域の事業者様のインタビューを実施。気仙沼訪問(茂木)
-3/29
各地域の事業者様のインタビューを実施。大船渡、釜石訪問(藤沢、茂木)
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2. 東北復興支援に今後必要な事
RCF復興支援チーム フェロー 茂木崇史
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水産加工業支援プロジェクトマネージャーとして活動している茂木が考える、今後の支援ビジョン、現地ヒアリングを通して感じた想いをお伝えいたします。
1. 地域を支える地元の事業者が復興の主役に!
仮設住宅の方々の心のケアなどのソフト面の支援の必要性は依然残るのですが、国や地方行政の予算で、土木を中心としたハード面の復旧が進みつつある今、いわゆる瓦礫処理などの肉体労働的なボランティアや、無償の物品提供の必要性は急速に薄れ、むしろ自立を妨げる原因にもなっています。
これから被災地に求められるのは、地元の雇用を支え、自立に向けた求心力となる企業の復活です。
いわばそこで住む人たちが、このままこの土地で行きていけると思える希望です。
私は被災地で、改めて企業というものの存在意義を強く感じました。
本当に被災地のことを支援しようと思ったら、被災地の商品を買う、あるいは事業者のパートナーとして、一緒に事業の復興策を考えるような支援を考えるべきだと思います。
東北には色々な資源があります。食事はおいしいし、自然も豊か。
普段中にいると当たり前で気づかない魅力を、外からの目で再発見し、発信する。
そんなパートナーの役割を果たす人が一人でも二人でも増えてほしいと思います。
2. 町のビジョンを世代を超えて事業者みんなで描く!
一方で、単にこれまでの事業がこれまで通りに再開するだけでは街は元気になりません。
そもそも被災地は、若者がどんどん減少していた地域だからです。
人口減少の流れを逆回転させ、若者を引きつける為には、若者が魅力に感じるような産業構造に変えていかなければならないでしょう。街のビジョンが必要なんだと思います。
「この10年は俺が街を支える。その間にお前が新しい事業を育てていけ。」
「私は事業を大きくする力はない。でも自分の家族だけはなんとか守る。」
そこに住む事業者同士がそれぞれの立場から価値観をぶつけ合い、時間軸を含めた街のビジョンを世代を超えてみんなで描いていくべきだと思います。
3. 支援事例の発信から地元の方々が中心の取り組み事例の発信へ!
今までは、「東京から行った人たちがこんな支援をしています」という支援側の報道や情報発信が中心だったが、これからは、「地元の方々がこんな新しい取り組みをしている」という地元の事業者側の活動についての報道や情報発信を強めていくべきです。
地域に埋もれていた資源、震災を通じて生まれたリーダーや新しい取り組みを、日本の他地域や世界にどんどん発信していってほしいと思います。
新しい変革が被災地から生まれていく様子を見ていてほしいと思います。
逆風の中でも孤軍奮闘で新しい取り組みを始めている、他の地域の人たちにとっての希望になってほしいと思います。
(ブログ引用 URL:http://motegi-takahito-spp.seesaa.net/article/255037931.html)
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3. (1) 福島県被災者に関わる既存制度調査
(2) 福島応急仮設住宅団地周辺環境調査分析報告
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(1) 福島県被災者に関連する既存制度の調査し、報告いたしました。
本調査は、今後の生活に関わる以下の3つのテーマについて、「既存の関連制度」および「最新の状況」に関する調査を行ない、今後の必要な支援策構築の基礎情報としてご活用いただく事を目的に作成しました。
資料は以下よりご覧頂けます。
URL:https://rcf311.com/2012/04/04/fukushima_research/
(2) 福島県応急仮設住宅団地周辺環境調査分析報告
ふくしま連携復興センター様が実施した福島県応急仮設住宅団地周辺環境調査の報告書です。
RCF復興支援チームが分析を担当いたしました。
資料は以下からご覧頂けます。
URL: https://rcf311.com/2012/04/02/fukushima_assessment/
<調査主体>
福島復興連携センター、福島大学災害復興研究所
<分析>
一般社団法人RCF復興支援チーム
こちらの分析結果が福島民友新聞に掲載されました。
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4. 仮設住宅に求められる支援の今・これから ~仮設住宅アセスメントより~
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代表藤沢が上記の分析結果より考察を行いました。以下よりご覧頂けます。
仮設住宅に求められる支援の今・これから~仮設住宅アセスメントより~
本日は、仮設住宅支援について考えます。
2012年3月8日時点で、避難生活者は34万人です。うち、10万人以上が仮設住宅に入居されています。
こうした方々をいかに支援すべきでしょうか。改めて整理していきます。
■短期~アセスメントにより戦略的・横断的に支援
仮設住宅に関して問題となるのは、孤立化や孤立死です。
仕事を持たない方が8割いるし、住んでいた地域から離れたために隣近所見知らぬ中で暮らす人も少なくありません。
もともと仕事で頑張っていた人ほど、お酒とテレビに引きこもってしまう。その為の対策として”お茶っこサロン”など、仮設住宅入居者が団欒できる場をNPOが提供しています。
しかし元気なおば様のみが集ったり、一部団地でしか開催されないため、真にリスクある方々に十分届いていない現実もあります。
ここで紹介したいのが、各県の連携復興センターによる「仮設住宅周辺環境アセスメント」です。
この調査を通じて、どの地域・団地のリスクが高い化を可視化することに成功しました。
今週結果が発表された福島県の調査をみましょう。
こちらは、ふくしま連携復興センター、福島大学災害復興研究所、日本財団、福島県、NPOが連携して実施し、RCFは分析を担当しました。(http://f-renpuku.com/?page_id=1114)
155団地のうち、約半数ではバスを使わないと、10%ではタクシーや自家用車を使わないと病院やスーパーなど生活施設に行けないことが分かりました。
こうした団地では、外に行くのに億劫になりますし、費用もかかりますから、引きこもりリスクは高くなります。
また街の外れに設置されていて、支援が行き届かない傾向もあります。
こうした調査結果は行政やNPOが共有し、支援をいかに行うかの検討に活用されています。
■長期~コミュニティ形成によって2013年大移動に備える
さて、仮設住宅支援は、一年目を境に後半戦に移っています。その理由は、仮設の入居期間にあります。
災害救助法によれば、仮設住宅の入居期間は建築基準法にのっとり2年間となっています。
阪神大震災でも5年住んだ方がおられたように、市町村の要請に基づき延長されることは確実です。
とはいえ、どの自治体も、原則として2年間が限度と居住者に伝えています(下記は釜石市の例)。自立できる方は二年で離れていただき、事情ある方のみが延長できるわけです。(http://www.city.kamaishi.iwate.jp/saigai/contents/seikatsushien.html)
ということで、2013年夏、多くの方は仮設から引越を行うことになります。
今年の夏以降、仮設や借り上げ住宅から離れてどこに住むべきか、メディアでも話題となることでしょう。
ここで鍵になるのは、仮設住宅の自治会と受け入れるコミュニティ側の自治会の連携です。
仮設自治会として、誰がいつどのコミュニティに向かうのかを把握する。その内容を受入自治会につなぎ、スムーズにコミュニティ移転を進める。こうすることで、社会的弱者(高齢者、失業者など)が取り残されることが防がれます。
注意したいのは行政だけでは細かなケアはできないこと。地元コミュニティやNPOの力が試されます。
■目の前だけでなく先を見通す
さきほど紹介した仮設アセスメントでは、自治会設置状況についても調査しました(p37-39)。
県北(福島市など)91%、県中(郡山市など)では82%が自治会設置されているのに対し、県南(白河市など)では13%、いわき市では34%しか設置が確認できませんでした。
計画的避難区域からの避難者では74%設置であるのに対し、他地域の避難者は52%に留まっています。
コミュニティ形成という観点では、いわき市や相馬市といった地域にも目を配る必要があります。
被災者支援のあり方も、時間の経過とともに変化していきます。
過去の災害対応、現在のデータを把握しつつ、地域ごとに適切なアプローチを取ることが求められます。
目の前の問題にのみ反応することなく、少し先の状況を洞察しながら、支援を続けることが必要です。(3月28日)
■参考資料
岩手県・仮設住宅周辺環境調査
http://www.ifc.jp/log.php?itemid=429 (8~9月調査)
宮城県・仮設住宅周辺環境調査
http://www.renpuku.org/archives/577 (10~1月調査)
福島県・仮設住宅周辺環境調査
http://f-renpuku.com/?page_id=1114 (12~2月調査)
(ブログより引用
URL: http://retz.seesaa.net/article/260731677.html)
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発行:RCF復興支援チーム https://rcf311.com/
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発行人:藤沢 烈 編集:小林 辰洋
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