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【連載】新型コロナ禍のなか生まれた、新たなセクター連携と見えてきた次の課題(3)

新型コロナウイルス感染症に伴って起こっている社会課題に対して、現在RCFが実施しているプロジェクト事例とその考察をお伝えする連載。

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プロジェクト事例を通じてコーディネーターの役割意義をお伝えするとともに、現在コロナ禍で発生している社会課題や、今後の社会づくりに向けて必要な点について考察しています。

第3回は、経済的に苦しい家庭を対象とした「こども宅食」臨時便に関する紹介です。

一般家庭に向けて行った緊急支援

コロナ禍以前からの生活困窮者が、今回のコロナ禍で一層ダメージを受けやすいだろうということは3月時点から想定しており、そういった方々へ向けた何らかの支援が必要ではないかという課題認識がありました。またその後の失業者割合を見ると、非正規雇用者の割合が高いということも明らかになっていました。

そのようななかで、コロナで困っている方へ向けた緊急支援をしたいという連絡をくださったのが、東日本大震災後、RCFと岩手県釜石市のコミュニティ支援で長年協働してきたグローバル金融グループUBSでした。

RCFからいくつかの提示を行い、決定したのが「こども宅食」事業への緊急支援。「こども宅食」は、2017年からフローレンスやRCFなど官民6団体が連携し、東京都文京区でスタートさせた事業です。定期的な食材配送を通じて、ひとり親世帯など経済的に苦しいご家庭と直接つながり、様々な支援を届けるというものです。

UBS社の支援により、新型コロナウイルス対応「こども宅食」緊急プロジェクトとして、こども宅食事業を進めている全国7箇所の団体で臨時便を配送することになりました。

実質わずか1週間で、全国7地域へ支援実施が決定

第1回の記事で紹介したWeSupport同様、この緊急支援も、支援要請から支援開始まで、非常に短期間のうちに進めることができました。4月中旬に議論を始めてゴールデンウィーク頭には支援を行ったので、その間は実質わずか1週間です。UBS社との信頼関係と、「こども宅食」という全国的なネットワークのある事業の推進実績から一定規模の支援を即座に実行できたことは、特筆すべきことです。

対象家庭へは、米や味噌、野菜、肉、菓子類、加工食品などの食料品のほか、地域によっては食器洗い洗剤やティッシュなどの生活必需品やマスクも届けています。ただ支援物資を届けるだけでなく、各地域団体と各家庭とがLINE等でつながるケースも多いため、今回のコロナの影響で起きたその他の困りごとなども、この臨時便をきっかけにヒアリングすることができ、さらなる追加支援にもつながりました。

また、実施によって明らかになったのは、当初の予想以上に対象家庭の支援ニーズが高いという実態でした。ある地域では200世帯を対象に申込みを開始したところ、たった2日間で150世帯を超える申込みがあったり、その他の地域でも開始当初からすでに事業成果目標を上回る見通しが出ていたのです。

これを受け、RCFではYahoo!ネット募金を通じて個人からの寄付も募集を開始。その結果、6月上旬までで、のべ1318世帯への支援が完了しています。

また、この取組みを一過性のものとせず、政策や制度につなげられないかというUBS社の思いから、「こども宅食」の事務局を担当するフローレンスを通じ、一連の現地での活動を政策形成に繋げていく取り組みも行いました。

結果的に、第二次補正予算内で新たに「こども宅食」をモデルとした事業(事業名は「支援対象児童等見守り強化事業」)が盛り込まれるなど、子育て家庭を支援する機運上昇にも貢献することができました。

企業との信頼関係と全国的ネットワーク基盤が掛け算されることで、スピーディーにモデルとなるような事業が遂行でき、それがまた全国に広がろうとしている一連の流れは、非常に大きな意義といえるでしょう。

既存の取組みの発展から、国をより良く動かしていく

東日本大震災の課題解決から生まれた、企業と非営利組織によるコミュニティ支援の実績が、コロナ禍での課題解決において形を変えて力を発揮したことは、大きな成果であると考えます。また今回の臨時便を契機に、これまで非営利組織で行っていた事業が評価され、結果として国の新たな事業へと展開することもできました。

次回はこのシリーズの最終回として、3回に渡って紹介してきたRCFの取組みを俯瞰して考察します。

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