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卒業生
佐久 志歩

【RCFの経験があったからこそ、今の挑戦ができる】RCFは自分が信じる社会の価値を追求できる舞台

プロフィール
マーケティングリサーチ会社を経て、2014年にRCFに入社。リクルートキャリア社との人材流動促進事業「BtoS PROJECT」や経済産業省FVC事業などを担当。学生時代から抱いていた「ビジネスでアフリカの課題を解決したい」という夢を実現すべく、2017年、石川県金沢市に拠点を置く、農業・環境系装置の製造販売を行う中小企業に転職し、アフリカケニア共和国向けの新規事業開発を行っている。
現在のお仕事について聞かせてください。
炭化装置等の製造・販売を行う中小企業の海外事業部にいます。炭化装置とは農林残渣などのバイオマスを炭に変換するプラントで、生成した炭は保水・保肥性に富む土壌改良剤として利用可能です。現在、この炭化装置活用技術、及び、炭の農業利用技術の移転を通じて、アフリカの乾燥地でも、水不足に耐えうる手段を社会実装することを目指しています。具体的には、現地調査や自治体とのパイロット事業組成を行い、現地自治体や農家さんを巻き込みながら、その地域における炭の生産と農業利用の仕組み作りに取り組んでいます。
RCFの経験が今のお仕事に活かされていると感じるのはどういったときですか?
事業のつくり方や進め方がとてもRCFと似ています。例えば決まったサービスの形があるわけではなく、コンセプトから相手にその価値を伝えていくというところ。現地のリソースを組み立て、現地を巻き込んで案件にしていくところ。あるいは、ゆくゆくは現地でまわしていける状態をつくるところ。そういった点でが非常に似ており、経験がそのまま活かせていると思います。RCFの事業のアフリカバージョンの仕事をしているような感じです。
ゼロから事業を作っていくとなると、現地で本当に必要とされていることは何なのかを、把握することがキーになってくるかと思いますが、RCFでそういったスキルを学ぶ機会があったのですか?
経済産業省FVC事業や、ゴールドマン・サックス社の「NPOの仕事と子育ての両立支援プロジェクト」など様々な事業で、ニーズ調査や、課題の発掘・設定から案件の立ち上げ、案件推進を行いました。その中で、仮説をたてて事業を進め、その仮説を更新し続けていく、というスキルを身につけたと思います。打ち合わせ一つをとっても、プロジェクト全体のゴールから逆算して、打ち合わせで到達すべき小ゴールを設定し、そこに辿り着くために色んな角度から入念に準備をしてから、打ち合わせに臨むのですが、想定通りに議論が進まないことも多々ありました。その場で出てくる新しい情報や、それぞれ違う立場にいる関係者の感情を一旦受け止め、妥協点を見出し、全員が納得できる言葉に置き換えたり、新情報をもとに打ち合わせの到達点を修正したりと、頭をフル回転させて、この場の皆が何を求めているかや、全体を貫く大事なことは何なのかを、短時間でアウトプットする、ということが求められていました。一つ一つの打ち合わせが実践の場となり、鍛えられていったと思います。
その中でも特に印象に残っている事業はありますか?
一番最初に担当したリクルートキャリア社とのBtoS PROJECTです。ビジネスセクターで転職を考えている人に対して、ソーシャルセクターへの転職も選択肢の一つとして当たり前に考えられる環境を作ることを目指したプロジェクトでした。当時、ソーシャルセクターは今ほど関心をもたれていませんでした。その環境下での最初の壁は、協働事業主であるリクルートキャリア社に取り組みの価値を、マーケットとしての可能性とともに実感してもらうことでした。そのため、当時まだ明らかになっていなかったソーシャルセクターへの転職について、様々な角度からの定性・定量調査を共同で実施しました。例えば、ソーシャルセクター側にそのニーズが本当にあることを事実として示すため、主要なNPOの代表へヒアリングをしたり、ビジネスセクターにいるおよそ300人に対するアンケート調査を行ったりしました。これらの調査を通じて、需給それぞれのニーズの種類や規模を明らかにし、ビジネスとして成り立つということと、社会的な必要性を伝えていきました。課題を発見し世の中に見える形にすること、そしてその仕組みの最初の部分ををつくるところがRCFの仕事だと思っています。
自分の夢を実現すべく、次のステージへと進まれた佐久さんにとって、RCFの魅力とはなんだと思いますか。
アフリカを舞台にビジネスを通じて仕事がしたいという気持ちが、学生時代から常にかたわらにあり、そのためにビジネスの感覚を持ちながら社会的な活動を行っているRCFに転職した背景がありました。様々な案件を経て、アフリカ×社会事業をキーワードに今の職場にやってきたわけですが、RCFで身に着けたスキル・経験があったからこそ挑戦できたポジションでした。
コーディネーターとしての仕事のつくり方や進め方を実践で身に着けていけることや、ビジネスセクターの第一線で活躍し、高いアウトプットを求めるリーダーたちのもとで学べることが魅力だと思います。また、RCFが向き合う課題のテーマの広さも魅力です。幅広いテーマに対し、事業の企画・コーディネート・協働というアプローチを応用して、課題解決を進めていく。それが、同じソーシャルセクターであっても他のNPOにはない特徴であり、面白さでもあると思います。
最後に、転職を考えている方へのメッセージをお願いします!
RCFでの仕事は経験だけでなく、人との出会いも大きな財産になりました。上述のゴールドマン・サックス社のプロボノ事業に伴走するうちに、自分も触発されてプライベートでアフリカ関連のNPOでプロボノを始めたこともありましたし、今の職場との出会いはBtoS PROJECTがきっかけでした。プライベートでの仲間や学びが仕事で活き、仕事での出会いが次のキャリアの足がかりになる。そんな素敵な道をRCFの仕事を通じて拓くことができました。
また、RCFにいる人は、課題と同じくらい仲間にも真摯に向き合っていると思います。個々人のキャリア感などを踏まえた配属や、生活スタイルに合わせた働き方への対応など、RCFでの働き甲斐を高めるための仕掛けを打ち続けている。良い職場ですよね。自分自身の時間を大事にしながらも、今まで培ってきた経験とスキルをもって、広く深く社会と向き合ってみたいと思ったなら、RCFは最適な環境だと思います。
RCFは社会課題を解決するために、自身が持つ技術ではなく、連携する地域やパートナーのリソースや価値をどう活用するかを考え抜いて事業を作ります。答えのないこの仕事はとても難易度が高いですが、自分が信じる社会への価値を追求できる舞台でもあり、それが好きな人にとっては、見送るなんてもったいない選択肢だと思います。